不動産投資で地方物件を購入した成功例と失敗例

不動産投資で地方物件を購入した成功例と失敗例

今回は、不動産投資を行うにあたって、地方で買う場合の事例について解説していきます。

地方にある物件を購入することはハイリスクだという話を聞いたことがあるかと思いますが、本当のところはどうなのでしょうか。実際の成功例と失敗例を紹介します。

また、地方物件に対して都心の物件を購入するという選択肢もありますが、地方より都心のほうが成功しやすいのかについても解説します。

地方物件の成功例と失敗例

まずは地方物件の成功例と失敗例を紹介します。実際に投資をした人へインタビューしてみたので参考になると思います。まずは成功例から見ていきましょう。

成功例 地方の築古物件を購入しているYさん

会社員/男性/40代/都内の例

私が不動産投資を始めたのは2012年くらいで、ちょうどサラリーマン大家さんがもてはやされ始めた時期でした。

私自身も当時からずっとサラリーマンで、今も兼業大家です。これまで5棟ほど購入してきており、まだ売却はありません。

私の場合は不動産投資を始めた当初から、地方の築古物件のみを購入しています。その理由は、利回りが高いということにつきます。

地方物件は高利回り!

私が購入する物件は全て表面利回りが20%を越えており、実質利回りでも17%程度はあります。そのくらいのパフォーマンスの物件であれば、すぐにキャッシュがたまるし、6年程度で投資額を回収できます。

築古物件だと、リフォームやリノベーションで物件の価値を高めないと、空室が埋まらないのでは?と考える人がいると思うのですが、正直不要ですね。

たしかに、部屋の内装がおしゃれなほうが入居率は高まると思いますが、実際のところは部屋が清潔で、住むに差し支えない部屋であれば入居してもらえます。(壁や床の汚れなどはキレイにします。)

一時期、本を読みながら、イケアでおしゃれな照明を買って設置したり、クロスをビタミンカラーにしてみましたが、入居率に関しては、結局普通のシンプルな部屋とそこまで大差ありませんでした。

また、入居に関しては、部屋よりも管理会社側の営業マンの腕もかなり大きいです。

地方物件の空室対策のカギ

過去に購入した物件で、8室のうち3室が半年以上空いており、キャッシュフローがギリギリの状態でした。

その物件の管理会社はネットや店頭で紹介しているからそのうち埋まる、とずっと言っていたのですが、さすがに半年以上空室だと徐々に信用できなくなりますよね。

そこで、思い切って別の管理会社に頼んでみました。すると、半年以上空室だった3室が、1か月もしないうちに埋まったんです!

新しいほうの管理会社に聞いてみたところ、その会社が複数の近隣企業にパイプを持っていたり、物件の価値を伝えられるマイソクをしっかり作ってくれたりと、非常に営業力に優れた会社でした。

経験を踏まえたアドバイス

地方の物件を買うのが怖いという方へのアドバイスとしては、以下2点に注力すれば成功率が上がると考えています。

  1. キャッシュをためやすい高利回り物件を購入すること、
  2. 営業力の高い管理会社を見つけること

地方物件はリスクもありますが、メリットもあります。上記2点に気を付けてトライしてみてもいいかもしれませんね。

失敗例 地方の工場近くの物件を購入したSさん

会社員/男性/30代/長野の例

僕は現職がエンジニアで、将来年金がもらえない可能性があるというニュースを見て不動産投資を始めました。

不動産投資は失敗する確率が低いと聞いていたのですが、私は見事に失敗しました…。

大手工場の近くの物件を購入!空室もなく順調!

僕は一棟目に地元長野の物件を購入しました。場所は山のほうだったのですが、物件の近くに某大手企業の工場があり、その工場の方達が住んでくれるはず、と期待してたんですね。

実際、購入した当時からずっと満室で、退去の連絡が来ても、すぐに次の人が見つかるという状況でした。集客は完全に管理会社に任せていて自分はノータッチでしたが、全く不安や苦労はなかったですね。

大手工場が移転。入居がピンチに!

ところが、2016年の後半頃に、徐々に空室ができ始めたんです。しかも、今までは1か月くらいで埋まっていたのに、いつまでたっても埋まらない。

何かおかしいと思い管理会社に聞いてみると、近くにあった某企業の工場が閉鎖されて移転したと…。私は目の前が真っ暗になる思いでした。

なぜなら、私が所有していた物件は、その工場の社員に完全に依存していて、ほぼ100%の割合で工場社員が入居者でした。借り上げ状態でしたね。

慌てて空室対策するも手遅れ

焦って本を買いあさり、広告費を上げたり、クロスを張り替えましたが無駄でした。そりゃそうですよね。だって入居者が工場と一緒に移動しちゃったわけですから…。

工場の移転後は、どうにもならなくなったので物件を売りました。空室だらけでしたし、入居も難しいのでかなりの格安になってしまいましたが。

物件売買の損失とキャッシュフローを合わせると赤字です。

経験を踏まえたアドバイス

僕は赤字で失敗しましたが、これは不動産投資が悪いわけではないです。

不動産投資は、事前に勉強してから始めれば失敗しにくい投資になります。工場の移転にしてもいろいろな本で紹介されていたんですが、僕が無勉だったために知らなかったことです。

物件を買うというアクションも大事ですが、本を何冊か読んだり、すでに投資を行っている人の話を聞くのも大事なことです。

あと、工場とか学校とか、入居者を何か1つに依存することはおすすめしませんけど、もしそういう物件を買ってしまった場合は、地元のニュースやネットニュースで情報を集めたほうがいいです。

僕の場合も、工場移転の一年くらい前にネットニュースで記事が掲載されていたんですけど見落としてました。それを知っていれば、移転前に売ることができたので損害を減らすことができたんですけどね。

地方物件を購入する際の注意点

地方物件には、価格が安いことから高利回りの物件が多いというメリットがあります。そのため、キャッシュフローが良く、投資効率がいいことがメリットです。

しかし一方で、地方は人口が少なく、入居者が工場や大学に支えられている地域も多くあります。

工場や大学があるとなるとメリットにも見えますが、失敗例で見た通り、移転されてしまうとリカバリーが難しく、格安で売却することしかできません。

地方物件の買い方

地方物件のメリットである高利回りという特長を生かしつつ、リスクを下げて経営するためには、やはり立地が重要です。

地方の物件を見るべきポイントで最もだいじなことは、近くに工場や大学など、移転されると人がいなくなるような地域かどうか、ということです。

やはり大きなリスクを抱えたままで経営を行うことは、ビジネス学的にも、精神的にも良くありません。特にまだ資金が潤沢ではない場合はリスクを減らしながらの投資が良いでしょう。

最悪、移転後に売却してもトータルで黒字になればいいのですが、そうなるとも限りませんので、できるだけ工場などに依存しない地域の物件にしましょう。

地方と都会の物件はどちらがおすすめ?

結局どちらがおすすめかというと、都会の物件です。なぜなら、人が安定的して多いため、空室によって破産するリスクが小さいからです。

そもそも地方は人が少なく、工場などに頼らないと人が来ない地域が多いのですが、都心はむしろ人がどんどん集まってきます。

そのため空室リスクが少ない物件が多いので、経営は安定します。その分、物件価格は上昇するので利回りは悪くなります。

しかし、破産するかもしれないリスクを抱えながら物件を買うのと、安定的に少し収入が増えるのと、どちらがいいでしょうか?

歩けない人は走れないといわれるのと同じように、まずは手堅い物件をコツコツ購入し、少しずつ堅実なキャッシュフローを積み上げていく方法がおすすめです。

まとめ

地方物件は高利回なため、手元のキャッシュがどんどん増えていくことが魅力です。ただし、その入居者が工場に依存している場合は、移転後の空室リスクが内在しているため、購入しないほうが賢明です。

そういったリスクを避けて安定的に不動産投資を行っていくなら、都心の物件を買う方が良いです。都心は常に人が集まってきますので、集客に困ることがあまりありません。初心者の方ほど都会の物件を買うことから検討してみるのもいいかもしれません。