アパートやマンションの修繕時期と費用の目安

アパートやマンションは物件を購入したら終わりではありません。その後、定期的な修繕が必要となります。この修繕をどのように行うかが不動産投資では鍵となります。多くの収益を上げたいと考えているなら適切に行わなければなりません。

アパートやマンションの修繕時期と費用の目安、コストを下げる方法について知りましょう。

【目次】アパートやマンションの修繕時期と費用の目安
  1. 区分マンションの修繕時期と費用の目安
    1. 共用部分
    2. 専有部分
  2. アパートの修繕時期と費用の目安
  3. 1棟マンションの修繕時期と費用の目安
  4. アパートやマンション修繕費用をコストダウンするためには
    1. 自分で何社かのリフォーム会社で見積もりをとる
    2. 本当に必要な修繕かどうかを確認する
  5. まとめ

区分マンションの修繕時期と費用の目安

区分マンションの共用部分はマンションの住民すべてで費用を積立て、専用部分は個人で積立てるようになります。

共用部分

共用部分に関しては、管理組合で決定した修繕積立金を毎月積立、そのお金で修繕が行われます。

マンションの規模により修繕積立金は変わってきますが、平均的な費用は以下のとおりです。
【1㎡あたりの月額修繕積立金額】
(引用:「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」国土交通省 H23.4)

15階未満のマンション
建築延床面積 平均値 事例の3分の2が当てはまる幅
5,000㎡未満 218円/㎡・月 165~250円/㎡・月
5,000~1,000㎡ 202円/㎡・月 140~265円/㎡・月
10,000㎡ 178円/㎡・月 135~220円/㎡・月
20階以上のマンション
平均値 事例の3分の2が当てはまる幅
206円/㎡・月 170~245円/㎡・月

マンション設立当初は、入居者を集めるために管理費を修繕積立金が低く設定されていますが、入居してすぐに値上げになることも数多くあります。

専有部分

専有部分(室内)は個人で修繕を行う必要があります。不動産投資として部屋を貸し出す場合も借主との契約や自治体の条例により内容が変わってきますが、特別な契約がない限りは貸主の負担になることが一般的です。

借主に故意や過失がある場合は借主の負担となりますが、通常の生活をしていれば生ずる一般的な老朽化のための修理に関しては借主の居住期間によって貸主と借主の負担割合が変わってきます。詳しくはお住いの地区の条例を確認しましょう。

専有部分での修繕が必要な個所の修繕時期と費用の目安は?

修繕時期 費用の目安
給湯器 10~15年 30万円
食洗器 10年 4万~7万
水栓 10年 5万~10万
壁クロス 10年 800円~1000円/㎡
エアコン交換 10年 10万円/台

アパートの修繕時期と費用の目安

アパートを1棟もっている場合は、すべての修繕を自ら行う必要があります。室内に関しては区分マンションの共用部分を参照してください。

室外

アパート(室外)の大規模修繕は、一般的に10~15年の間に行われます。外観の美しいほうが当然、入居者が集まりやすくなります。アパート1棟であれば修繕費用も高くなってきますので、中長期修繕積立計画を立てておくことが必要です。

大規模修繕の時期と目安とは?

修繕費用 費用
屋上、屋根防水の補修 10~15年ごと 8,000円~12,000円/㎡
外壁改修 10~15年ごと 1,000円~30.000円/㎡
ベランダ防水補修工事 10~15年ごと 7,000円/㎡
鉄部塗装工事 4~6年ごと 3,000円~5,000円/㎡
給水ポンプの取り換え 12~18年ごと 150万円~250万円
屋上、屋根防水の補修

アパートの屋根は防水加工されています。この防水加工は経年劣化していきますので15年
を目安に補修しなければ雨漏りの原因となってしまいます。

外壁改修

外壁は雨や風、紫外線などの影響で徐々に劣化していきます。このため美観が損なわれていきます。建物の美しさを維持するために外壁改修が必要となります。アパートの階数により足場をどのくらい組む必要があるかが変わってきますので、それによっても費用が変わってきます。

修繕費用はどれくらい積立てればいいの?

賃貸収入の5%を修繕費用のために貯蓄しておくようにしましょう。修繕費用は毎月かかるわけではありません。

しかし、大規模修繕では多額の費用がかかりますし、突然設備の一部が壊れる場合もあります。しっかりと積立置くことで、安心して不動産投資を行うことができます。

1棟マンションの修繕時期と費用の目安

室内に関しては区分マンションの共用部分を参照してください。

室外

同じマンションでも、構造によって修繕費用がまったく変わってきます。修繕費用は木造、鉄骨、RC・SRCの順に高くなっていきます。

一般的な修繕費用に関してはアパートの「大規模修繕の時期と目安とは?」を参照してください。

一般的な1k20個戸の一棟マンションで、外壁と屋根の全塗装のリフォームをすれば平均500~600万ほどだといわれています。

大規模修繕費用にコストがかかるのはエレベーターと機械式駐車場です。エレベーターは25年~30年の間に交換する必要がありますので、この時期には10年~15年の間に行われる大規模修繕費用より、さらに高い費用がかかるようになります。

マンションにエレベーターや機械式駐車場の設備が付属されている場合は、これらも含めてしっかりと修繕積立計画を行うことが大切です。

アパートやマンション修繕費用をコストダウンするためには

不動産投資を成功させたいならアパートやマンションの修繕費用は節約しましょう。ここでコストを下げることで安定した不動産収益を得ることができます。

修繕費用はどのように下げればいいのでしょうか?

自分で何社かのリフォーム会社で見積もりをとる

マンションやアパートの修繕を行う場合、管理会社が取引をしているリフォーム会社での修繕をすすめてくるでしょう。

しかし、ここで契約が成立すると管理会社はリフォーム会社からバックマージンをもらい、その分リフォーム代が高くなることが一般的です。

修繕が必要になった場合は、自ら何社かのリフォーム会社で見積もりをとりましょう。
リフォーム会社によって料金が驚くほど違うはずです。

このとき、安いからといってリフォーム会社を安易に決めてしまうことも要注意です。
いくら安くリフォームしてくれたとしても、手抜き工事であれば余計に出費が増えてしまいます。

まわりからの評判を確認し信頼できる業者であること、トラブルが起こった際、アフターフォローがしっかりしているかなどの保障面も確認してください。

管理会社からすすめられたリフォーム会社で修繕しない場合は、失礼にならないよう断りましょう。管理会社は末永く付き合っていく大切なパートナーであることを忘れずに。

本当に必要な修繕かどうかを確認する

管理会社やリフォーム会社などから修繕のアドバイスを受けた場合、すべての修繕を行う必要がないこともあります。

リフォーム会社などは商売ですから、少しでもリフォームする場所を多くして利益を得たいと考えます。そのため、修繕するよう提案されたものの中には、リフォームをしてもしなくてもほとんど差異がないものが含まれていることもあります。

セカンドオピニオンのような調査をしてくれるリフォーム会社や管理会社も増えていますし、修繕のコンサルタントをしている会社もありますので、それらの会社に相談するなどして必要な修繕のみに絞りこむことでコストダウンできます。

まとめ

アパートやマンションの資産価値を維持し、安定した家賃収入を得るためには修繕はどうしても必要になってきます。

同じマンションでも材質や付属している設備によって修繕時期や費用は変わってきます。
自分の保持する物件にかかる修繕費用の目安をつけ、修繕計画を立てると同時に定期的に積立を始めましょう。

また、修繕に関しては管理会社に丸投げするのではなく、自ら情報収集しましょう。

本当にその修繕が必要かどうかを見極め、信頼でき低コストでメンテナンスを行ってくれるリフォーム会社を見つけることでかなりコストダウンすることができます。