「不動産投資を始めてみたいけど、実際に始めるとなると躊躇する」
このような方も多いと思います。その理由の1つとして、「いつ始めればいいかわからない」ということがあります。
不動産投資は継続的に利益を生むので、不動産投資を早く始めるほど得られるキャッシュの総量は多くなります。しかし、不動産投資はその時流によって、買うべきタイミングとそうでないタイミングがあります。
この記事では、不動産投資を始めるべき3つのタイミングについて解説しますので、参考にしていただいて、適切なタイミングで大家さんになって下さい。
不動産投資を始めるタイミング
不動産というのは、基本的には銀行から借り入れを行って物件を購入します。従って、不動産から得られるキャッシュは、家賃収入から返済費用と税金を引いた金額になります。
税金はあまり時流の影響を受けないので考えないとして、返済費用の部分は、不動産を買うタイミングを間違えると、大きいリスクを抱えることになる可能性があります。
不動産市場が冷めている時期
不動産を買う際、一般的に銀行から借り入れを行いますが、その借入額は物件の価格に比例します。物件が高ければ高いほど借入額は大きくなります。この「借入額」は時期によって変動します。
不動産を買う人の数が増え、売りに出されている物件数が減ると、需要と供給の関係性によって、不動産の価格はどんどん上がっていきます。
一方、家賃収入の方は物件価格が上がっても大きく変動はしません。「物件高かったから家賃を上げます」という大家はまずいないと思います。
よって、不動産の価格が高くなればなるほど返済額は増える。でも家賃収入は変わらないため、得られるキャッシュが少なくなります。
これでは返済できなくなるリスクが上がってしまうので、非常に危険です。実は2017年現在、そうした不動産価格が上がっている時期です。これはアベノミクスが関係しています。
2012年の第二次安倍内閣発足後、アベノミクスによって低金利時代に突入しました。金利が下がったことで物件を買える人が増え、また、銀行も貸せるうちに貸そうという姿勢が強くなり、サラリーマンがどんどん不動産を買っていました。
市場の動きは非常に早く、仲介業者から連絡が来ても、その場ですぐに買う意思を示しておかないと、翌日にはもう買い手が決まってしまう、ということが普通に起きています。
それくらいの勢いで物件が買われているので、市場に出ている物件は少ないですし、新たに売りに出されてもすぐになくなってしまいます。
また、2020年にオリンピックを控えており、そちらの建設のために、資材や人材を取られ、物件を建てるにもかなりのコストがかかり、新築物件の値段が上がっています。
ですので、今買うなら小さめの物件がおすすめです。4室や6室くらいの、あまり人気が無い物件は売れ残る傾向にあるため、狙い目かもしれません。
マイナス金利など金利が安い時期
銀行からローンを借り入れる際に大事なことは、やはり「金利」です。金利が高いほど返済額は増えます。金利分は経費として計上できますが、それでも少ないに越したことはありません。
今はマイナス金利で、非常に金利が低い時期です。そのため、金利だけを見れば、物件を買う時期としては悪くありません。1つ注意点としては、銀行とローンの契約を行うときに、固定金利にするか変動金利にするかは、よく考えて下さい。
固定金利は、契約時から金利がずっと変わりませんが、変動金利はその名の通り変動していきます。固定金利や変動金利の設定は各銀行によって様々なため、融資の担当者としっかり話をして、できれば事前にシミュレーションをしてから決定しましょう。
ライフスタイルによる購入時期
最後のタイミングは、あなた自身のライフスタイルによるタイミングです。不動産投資を始めるのであれば、年齢が若い方が銀行の融資を組みやすいため、出来る限り早く始めたほうが有利です。
例えば、50歳の人が30年のローンを組むのは、かなり難しいです。これは病気などによって返済能力が落ちたり、なくなってしまうリスクが高いことも理由としてあげられますが、定年後には返済能力が著しく低下することも考えられるので、銀行側としても条件を厳しくする可能性が高いです。
そのため、できるだけ若いうちにいい条件で融資を受けておくことが大事になります。また、「子育てが落ち着いたら…」、「家を買って落ち着いたら…」と考えている人もいるようですが、この考え方は不動産投資ではNGです。
言い方は悪いですが、銀行は子供を負債とみなします。子供がいない方が家庭のお金は残りやすいはずですから、銀行からすると、家庭の収益を圧迫する子供は負債でしかないと考えます。同じ意味で、パートに出ていない専業主婦もそのように見られるかもしれません。
また、持ち家についても負債として考えられます。収益を産まず、損失を広げる役割をしているからです。
また、個人には借りられる融資の総額には、年収に応じた限度額もあります。この金額は厳密に決まっているわけではありませんが、銀行によって、この人はあとどれくらい借りられそうだな、と判断しています。
そのため、投資物件より先に家を買ってしまうと、投資に使える融資枠が減ってしまうので、買える物件が減ります。そのため、家より先に不動産を購入し、収益を拡大することがポイントとなります。
その後、住宅ローンが下りるかどうかは銀行の判断によりますが、確定申告を2~3期黒字で出せれば、そこまで悪い評価にはならないと思います。
投資物件より先に家を買うと、単なる借金として見られ、その後の投資物件の購入に悪影響が出ますので、不動産投資を続けていきたいなら、マイホームはよく考えてから購入しましょう。
まとめ
不動産投資を始めるなら、以下の3つのタイミングを意識してください。
- 不動産の価格が安いタイミング
- 金利が低いタイミング
- できるだけ若く、できるだけ負債が少ないタイミング
これらをまとめると、出来るだけ若く借金が少ない状態で、不動産価格や金利が低い時に買うのがベストタイミングということになります。
ですが、こんな理想的な状況はそうそうありません。特に年齢やご家族、持ち家の状況を変えることは難しいですから、あなた自身の状況を考慮した上で、最適なタイミングを考えてみてください。
間違っても、不動産の仲介業者の甘言に乗って大損することの無いように注意しましょう。